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福島県いわき市の”今”を小松理虔(りけん)さんに聞いてきた。

3月6日、震災から丸4年目を迎える小名浜の街で ”福島の今”を聞いてきました。福島県・いわき市小名浜地区。漁業で栄えたこの街も、4年前に津波により大きな被害を受け、多くの方が津波、地震により住む家も失いました。

スクリーンショット 2015-03-13 14.27.46(震災直後の小名浜の様子/YouTubeより)

Ane会Timesでは、震災5年目への歩みを追っていこうと、現地取材を敢行。震災前から小名浜や福島の現状を発信し続けている、小松理虔さんに話を聞いてきました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA(右:小松さん)

まずは、小松さんの話。

1979年いわき市小名浜生まれ。
法政大学文学部卒業後、福島テレビ報道部記者を経て上海へ移住し、日本人向け情報誌の編集・ライターとして活動。09年に帰国後、現在は、地元・小名浜でウェブマガジンやオルタナティブスペース「UDOK.」を立ち上げ、地産クリエイティブの発信に携わっています。

Ane会Times編集部

お久しぶりです。(取材にいった編集長とは、高校時代の同級生!)復興から丸4年たって、今の小名浜や街の人たちの状況ってどうですか?

小松さん

復興から4年が経って、すごく格差が広がっているのが実感です。震災後に、前向きに進んで切り開いてきた人たちは、自分で新しい生活の環境を作り、進んでいる一方で、まだまだ、仮設住宅や借り上げ住宅などで、生活の基盤を作れていない人もいます。そういった生活面での格差が広がっています。

Ane会Times編集部

街の復興はすすんでいるけど、個人レベルでは、まだまだ生活に不安のある人が多いってことなんですね。

小松さん

そうなんです。街や建物が復旧しって、みんなバンザイと喜こべる状況ではないんですよ。確かに小名浜の漁業は、復興してきましたし、地産地消で生活もできるようになりました。でも、今後は、それをどう活かして今の福島を伝えていくかが次の課題になっています。

Made in Fukushimaの難しさ

07Ane会Times編集部

東京では、原発事故の影響もあって、福島産の食品とか、どうしても、まだまだ懸念されてしまいがちですね。

小松さん

現状では、TOKIOの皆さんが、福島産の食品は安全だと、CMで訴えてくれますし、震災直後にあった風業被害というのは、目に見えて減ってはきました。でも、まだまだ、現場の声や生産者の声って、届いていないと思うんですよね。

Ane会Times編集部

福島の人たちよりも、福島以外の人たちの声もありますからね。

小松さん

僕は、ネットを使って情報発信していますが、「福島」って良くも悪くも、利用されやすい言葉になっているんです。ちょっと何かニュースでも流れれば、「やっぱり福島はあぶない」とか。

大手のメディアさんが、小名浜の街をあるいているおばちゃんにインタビューして、その声を元に、「地元の人はこういってます」とニュースソースになってしまったり。福島の人の特徴かもしれませんが、人がよく、余計なことは言わないって気質が、悪い面で出てしまうこともあるんです。

Ane会Times編集部

実は、私が、今回、復興の現場まで取材に来た理由がまさにそれなんです。Ane会Timesは、主に、首都圏の女性がみるメディアなんですが、東京で流れるニュースって、現場の人の顔が見えない事が多いんですよね。

NHKさんの討論番組などに出てくる人は、県知事さんばかり。どうしても復興って「自分とは関係ない大きな話題」になってしまっています。だからこそ、現場の人はどう感じて、今何を一番伝えたいのか、それを知り、発信することが大切だと思ったんです。

小松さん

実際にネガティブなニュースや堅苦しい情報ばかりではないんです。例えば、福島を応援してくれる企業や人もたくさんいます。KIRINさんは、福島産の商品を使った商品を継続的に出してくれたり、ソフトバンクさんは、復興支援センターを開設して、震災以来、継続的に支援を続けてくれています。

キリン絆プロジェクト「福島県産氷結もも」のお話。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

小松さんは、小名浜で、オルタナティブスペース「UDOK.」を震災直後の2011年5月に開設。昼間の生業を「晴耕」、生業が終わった夜や休日などを「雨読」と考え、その雨読時間を活用し、創作活動やイベント企画などをしようというコンセプトのもと、「小名浜本町通り芸術祭」などを開催しています。

その活動は、スペース内だけではなく、小名浜各所をアトリエとして、夜景ツアーやワークショップなども開催し、実際に地元の姿を見て、感じてもらう活動を続けています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA(スケッチの様子)

震災を風化させないために明るい情報を発信

Ane会Times

小松さんが考えるこれからの福島ってなんでしょうか。

小松さん

いろいろな人が、いろいろな考え方があっていいと思っていますが、復興から5年目を迎え、徐々に人々の中から、震災への記憶がなくなっていると思います。それを風化させないためにも、継続的に伝えていくことが、福島の課題だと思います。

Ane会Times

震災の記憶を風化させないということですね。重要な課題ですね。

小松さん

そのためにも、「自分たちはこんなに苦しいんだ。大変なんだ」と訴えても僕はダメだと思うんです。その側面があるのは、たしかにそうなんですが、むしろ明るい話題を地元から発信したい。

例えば、「何これ!」って多くの人が驚くような情報を発信して、「実はね・・・」と続くようなそんな明るい話題です。

Ane会Times

福島にも、いいモノ、いい街、いいところがたくさんありますもんね。

小松さん

そうです。東京でも、野菜、果物、みそ、しょうゆなど、スーパーにいけば、福島産のものがたくさん並んでいます。東京から片道2時間ほどでこれる福島にもいいところがたくさんあります。

そういった声を、ただ発信するのではなく、自分たちがどう見られたいかを考えて発信することが、大切だと思います。

福島視察ツアー開催!?

Ane会Times

地道に伝えていくことの大切さは、とても実感します。福島の生産者さんのところに東京からツアーを組んで伺って、そこで、「美味しい」「楽しい」といった情報を発信することも、1つの方法ですよね。福島の人が口下手であれば、他の人がかわりに発信してくれる仕組みを作るとか。

小松さん

そうなんです。六本木のレストランで提供されるような野菜をアサ取れで食べてみるツアーとか、小名浜であれば、その日の水揚げされた魚を、そのまあ焼いてべるとか。

Ane会Times

IMG_2428それ、取材前にやってきました(笑)
ほんと地のものを、食べるのって、贅沢な体験ですよね。

小松さん

うまかったでしょ(笑)

単に福島の野菜や食品を食べてくださいって体験ではなく、いいものを選び、食べてみることで、人生を豊かにすることにつながると思うんです。福島県産の◯◯がないと、「自分の人生にとって損失だ。困る。」ということになれば、福島に関心を持つ人も増えますし、結果的に震災や復興への関心にもつながると思うんです。

自分たちの良さを明るいニュースで伝えていくことが、結果的に風化を防ぐことにつながります。

Ane会Times

ぜひ、うちでも協力させてもらいます。福島視察ツアーやりましょ!ボランティアではなく、新しい震災復興の形として。

小松さん

いいですね〜。やりましょ。

Ane会Times

最後に、Ane会Timesの読者さんに伝えたいことはありますか?

小松さん

Ane会Timesさんが、取材に来てくれるから言えるんですが、震災復興のニュースは、あくまで、誰かのフィルターを通して、伝わるものがほとんどです。それを単なる情報として終わらせることなく、ぜひ、福島を体験して、自分の目で見に来てほしいと思います。
そして、そう思ってもらえるようなことを伝えていくのが、自分のやりがいだと思っています。

P1040704(現在の小名浜の街の様子)

復興5年目への歩み、第1弾は、小松理虔(りけん)さんのインタビュー。実際に目で見て、感じてきました。いわき市小名浜は、まだまだ工事を着工しているところもありますが、建物の復興はほぼ、完了している状況です。

しかし、そこに住む人、産業は、まだ完全に復興したとは言えません。震災を風化させないためにも、Ane会Timesとして、5年目に向けて、福島や被災地の取材を続けていきます。

みなさんも、スーパーなどで、福島産のものを見かけたら、少しだけ被災地のことを思い出してもらえると嬉しいです。

小名浜までのアクセス

E5B08FE5908DE6B59CE59CB0E59BB3車でのアクセス

常磐自動車道いわき湯本I.Cから約20分
常磐自動車道いわき勿来I.Cから約30分
福島空港から国道49号線で約1時間40分

電車でのアクセス

JR常磐線泉駅(特急停車駅)から路線バス(小名浜・江名方面)で最寄りのバス停「支所入口」まで約15分。下車後徒歩約10分

高速バスでのアクセス

東京駅から「いわき駅」まで約3時間。電車を利用して最寄りの泉駅まで移動してください。

[写真引用:greenz

寄稿者について

株式会社日淺Ane会Times編集長編集長・日淺 光博
Ane会Timesの編集長をやっています。会食、イベント、仕事でのつながりを通して、3年間でのべ1,000名以上の女性とお会いしてきました。お会いした方々のエピソードもご紹介させて頂きます。

更新の励みにもなりますので、こちらからご意見・ご感想など お聞かせ頂けると嬉しいです!

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