Ane会

働く大人女性のためのWebマガジン

ライフワークバランスを考える「短時間正社員制度」について|Ane会働き方改革

2016年9月、安倍晋三首相が内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置したことにより、さまざまな働き方が注目を集める昨今。

企業では、在宅勤務制度やフレックス制度など、働き方を考える動きがみられる中、Ane会では「短時間正社員制度」について深堀りしてみました。

「短時間正社員制度」とは?

2017年6月30日施行された「改正育児(※)・介護休業法」への対応から、一般的に小さなお子さんがいる方、介護を必要としている方が、育児や介護をしながら正社員として働くことができるため制度と思われがちですが、自らのライフスタイルやライフステージに応じた多様な働き方を実現させる新しい働き方として「短時間正社員制度」の導入が進められています。
(※)子が満3歳になるまでの短時間勤務制度の措置義務化。1日の所定労働時間は6時間を原則とする。

では、いったい「短時間正社員制度」とは、どのような制度なのでしょうか?
その名の通り、「短時間正社員制度」とは、正社員として企業に雇ってもらいながら、フルタイムの正社員より短い勤務時間で働く正社員のことを指しています。

厚生労働省の「短時間正社員制度 導入マニュアル」によりますと、下記の通りにまとめることができました。

【短時間正社員の働き方】

雇用形態 正社員
雇用契約 期間の定め内雇用契約
労働時間 フルタイム正社員(※)より1週間の所定労働時間が短い
賃金など待遇 フルタイム正社員(※)を基準に、労働時間に比例して決定
社会保険(健康保険、厚生年金保険) 原則適用

(※)フルタイム正社員とは:1週間の所定労働時間が40時間程度(1日8時間・週5日勤務)で、期間の定めのない雇用契約(無期雇用契約)を締結した正社員

また、その働き方にはタイプがあり、大きく3つに分類されています。

(1)正社員が、一時的に短時間勤務をするタイプ

  • 育児のための短時間勤務
  • 資格取得を目指して学校に通うため、一定期間の短時間勤務

(2)正社員が恒常的、または期間を定めずに短時間勤務するタイプ

  • 介護のため短時間勤務
  • 副業のため短時間勤務で入社した正社員

(3)パートタイマーなどが、短時間勤務のまま、正社員になるタイプ

  • 短時間勤務のまま正社員登用されたパートタイマー

このように、育児・介護との両立ばかりではなく、多様なライフスタイルに合わせた働き方を推奨する仕組みとして、この「短時間正社員制度」が存在しているのです。

「短時間正社員制度」を利用するメリット

いざ「短時間正社員」として働くことになった場合、“働く人”にとってのメリットは何でしょう。Ane会編集部の編集会議で上がった例をまとめてみました。

1.なんといっても、これ!『時間の余裕』

1日は24時間。これはだれにでも平等に与えられています。その貴重な時間を育児や介護だけではなく、「資格取得の時間を作りたい」「副業のために時間を使いたい」など、「短時間正社員制度」を活用することで、多様なワークスタイルが実現できます。

短時間で与えられたお仕事をきっちり終わらせて、残りの時間を自分のために、または家族のため・子供のために使えたら、時間に余裕ができ、きっと毎日の生活や心にゆとりが生まれるはずです。

2.短時間、されど『正社員』

これまでは、フルタイムで働かないと『正社員』という称号は与えてもらえない時代もありました。そういった場合、契約社員に変更する、パート勤務にするなど、やむなく雇用形態を変更せざるを得なくなります。すると、「いつか契約が切れるかもしれない」といった不安や、金銭面の不安、同じお仕事をしている正社員のボーナスや有休をうらやましく思う気持ちも出てきてしまうのは当然のことです。もやもやした気持ちを抱えながら働くことは、集中力の欠落にもつながります。

しかし、「短時間正社員制度」なら、正社員としての恩恵が受けられ、安心してお仕事に集中できるのです。

3.任せてもらえる喜びが『責任感』に

短時間勤務とは言え、正社員と同等の扱いである短時間正社員の場合、パートやアルバイトという雇用形態より、責任・権限のあるお仕事を任せてもらえるチャンスが広がります。

日々のルーティン作業ばかりではなく、プロジェクトへの参加を求められたり、チームで遂行するような大きなお仕事に誘われたらチャンス!果敢に挑戦しましょう。これまで自分が積み上げてきたキャリアを発揮することだって、夢ではありません。任されることが大きな励みとなり、今までにない成果を生み出すことだって、できるかもしれません。

4.胸を張って『キャリア』を蓄積

パート勤務を含む非正規雇用の場合、たとえ正社員と同じお仕事をしていたとしても、残念ながら履歴書や職務経歴書に正社員と記載することはできません。また、先に挙げたように、パート勤務になった場合、やりたいお仕事があっても、なかなか手が届かないのも事実です。

お仕事に対するキャリアは、あるに越したことはありません。「短時間正社員」として働いていれば、キャリアアップのチャンスもあれば、「正社員」として働いていた経歴として、信頼される傾向があるのです。

「短時間正社員制度」を利用するデメリット

しかしながら、良いことだけではありません。まだまだ課題が多いのが「短時間正社員制度」であることも理解しておく必要があります。

1.周囲の理解が得にくい

自分のライフワークバランスが一番!とはいえ、同僚が忙しく働いている中で、ひとりだけ早く帰ることはとても気が引けるものです。子育て中の方には「子どもが熱を出してしまい保育園から連絡が来ているので早退します」と仕方ないとは分かっていても、なかなか言い出せなかったという苦い経験をしたこともあるのではないでしょうか。

一番理解してほしい上司・同僚のためにも、Ane会では、全ての働く人の心が豊かになるように、「短時間正社員制度」の認知度を上げることに力を入れていきたいと考えています。

2.導入実績が十分ではない

「改正育児・介護休業法」により、子育てや介護で短時間勤務している方は多くいても、その他の理由で「短時間正社員制度」を導入している企業はまだまだ多くありません。今、働いている会社に「短時間正社員制度」がない企業のほうが多いのではないでしょうか。

しかし、たとえ制度が整っていないからと言って、簡単にあきらめてはいけません。厚生労働省では、企業に向けて「短時間正社員制度」の導入を奨励しています。定着支援のため雇用する労働者を短時間正社員に転換する、または短時間正社員を新規で雇用した場合、ひとりあたり20万円の助成金が支給されます(ふたり目以降10万円、10人まで/年)。

この点については、Ane会では雇う側の「短時間正社員制度」の普及に力を入れていきたいと考えています。

3.重くのしかかるプレッシャー

メリットの部分では、「責任感」がやる気につながるとお伝えしましたが、時には短時間の制限の中で成果を出さなければいけないプレッシャーで気持ちに負担がかかることも考えられます。また、フルタイム正社員に比べ、どうしても時間に追われがちになってしまうことも。せっかく短時間正社員として働いていても、終業後にくよくよお仕事のことを考えるようでは、制度活用の意味はありません。

短時間で効率の良い働き方を常に見出す努力と、お仕事のオン/オフをうまく切り替えることが何より重要なカギとなってきます。

4.短時間正社員としての品格

「短時間正社員制度」を利用して、短く働いている意味を常に忘れてはいけません。長く制度を利用すると、「短時間」に甘える気持ちが湧いてくるかもしれません。そうすると、ますます周囲の理解は得られなくなります。

「時間が短いからこのお仕事は引き受けられない」「あと数時間で終業だから、終わらなかったら誰かにお願いしよう」そんな気持ちでは短時間正社員としての品格が疑われます。

お仕事の効率性はもちろん、なぜ短時間勤務で働いているのか、という意味を常に頭に入れ、周囲へ感謝の気持ちを忘れずに、そして人一倍努力する姿勢を見せることが短時間正社員として働く誠意ではないでしょうか。

「短時間正社員制度」のまとめ

「短時間正社員制度」は、働きたくても何らかの理由で働けなくなった人にとって、有意義に働ける選択肢のひとつのだと思います。

例えば、妊娠を機に退職せざるを得なかった「手に職」のある方、ご主人の転勤をきっかけにお仕事を手放してしまった事務職一筋の方、今のキャリアのまま、家庭との両立のためにフルタイムから短時間正社員へキャリアチェンジを希望する方、人それぞれ人生の歴史がある中で、本当のあなたはどんな人生を望んでいますか?

そんな、育児や介護中の方はもちろん、すべての方に「わたしだけの働き方スタイル」を考えるためのひとつとして、「短時間正社員制度」を考えてみてはいかがでしょうか。

Ane会姉妹サイト「35歳からのハローワーク」では、時短求人に関する情報をメールマガジンで配信しています。ぜひ、ご登録ください!

時短求人専門のAne会姉妹サイトがオープン!

広報・経理・人事・法務・企画・経営企画・デザイン・ITなど、あなたの経験を活かした『時短の働き方』がここにあります!

女性PRのことならなんでもお問い合わせください。