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クラウドソーシングで夢と未来をつくる!クラウドワークス執行役員田中優子さんインタビュー

P1050174今回は、クラウドソーシングの分野で注目を集めている、株式会社クラウドワークス執行役員の田中優子さんにお話をうかがいました。

はじめに:企業の外注が変わる?大企業も注目するクラウドソーシング

インターネットを活用し、世界中の人材にアクセスして仕事の受発注ができるサービスを「クラウドソーシング」と呼びます。株式会社クラウドワークスは、2014年12月に東証マザーズ上場、登録ユーザー数は50万人を超える日本最大級のクラウドソーシングサービスを提供しています。

サービスの大きな特徴は、これまで「企業」への外注していた案件を、「個人」へ外注できる点です。これまでにユナイテッド航空やネスレ、アップリカなど大手、有名企業もクラウドワークスを利用して、大きな流れに発展しています。

Q.クラウドワークス参画のきっかけは?

P1050167代表取締役の吉田(浩一郎氏)とは10年来の友人で、株式上場の約1年前に参画を打診されました。株式上場をゴールにするベンチャー企業が多い中で、それをゴールにするのではなく、10年、20年先の事業の未来を想定し、そこに向けて準備していきたいという吉田の想いから、未来戦略を考える専任担当者として入社しました。なので、ひたすら「夢」を考える仕事をしています。

前職では大企業向けの経営コンサルティングを行っていましたが、新市場を作るというテーマのプロジェクトも多く、理屈だけではなく自分自身でそれにチャレンジしてみたいという想いはありました。また、世界的に社会や人の価値観が今後10年以上かけてどうなっていくかを分析する仕事をしたことがあり、そこで個人の力が強まり、大きな社会の流れを作るというキーワードの一つとしてクラウドソーシングの概念に出会い、これは間違いなく大きな市場になると確信がありました。

 

Q.「市場を作る」とは?

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一つの市場を生み出すには、何か一つのことだけではだめで、様々な要素が揃う必要があると考えます。需要喚起や供給するサービスの充実もそうなのですが、テクノロジーの進化、法律などのルール整備も必要です。何よりこの市場を生もうとする社会の流れを作ること、「本当にそうなったらいいな」と共感する人を数多く生み出すことが不可欠だと思います。そのために、多くの人にコミュニケーションし、理解を促し、わくわくすることをどれだけ発信できるか。そのためにできることは山ほどあって、それを片っ端から形にしていくのが私の仕事だと思っています。

それらの取り組みの中には、短期的に利益が出ないものもあります。それでもそれをやる意味があるのは、社会全体の力を後押しにして、長期的に巨大な市場を狙っていくからです。

今の時代は、多く人の共感を集めることでしか市場が生まれせん

成熟した市場では、設備投資やマーケティング投資をして、大量生産して安くすればモノが売れるというわけではありません。

便利さを超えた今までにない価値に対して共感して、わくわくして、お金を出す、労働力を提供する、自分も仲間に入りたくなるようなムードを作ることで市場が形成されていくのが今の時代です。

また、クラウドソーシングはインフラであると、思っています。

つまり、電気は電化製品があるから価値を発揮するのと同じように、クラウドソーシングもそれそのものには価値はなく、それをどう使うかがあって初めて価値を持つということです。電気が発明されたとき、工場を動かす、明かりをつけるといったように、できることは限定的でしたが、それで料理ができる、掃除ができる、パソコンが使えると用途の幅が広がって、今やなくてはならないものになっている。そうやってインフラは広がります。クラウドワークスでも、クラウドソーシングの具体的な事例で使い方を示す必要があります。

(クラウドソーシングは)ただ安くロゴがつくれるだけではありません。ロケットがつくれる、映画がつくれる、100歳でも働ける、5つ子がいるお母さんでも働ける、とんがったことや、あきらめていたことが実現できる、そういうような可能性を示したい。

クラウドソーシングが現在提供している価値は絞られているけれど、それだけではない未来を見せることが市場を作る力になると考えています。個人、大企業、行政など社会的影響力がある人達を巻き込む、大きな流れを作っていきたいと思います。

Q.将来の働き方、そしてクラウドワークスの未来像は?

P1050170クラウドワークスは、クラウドソーシングの普及だけを目指しているわけではありません。クラウドソーシングという限定的なしくみだけでなく、オンラインワークを軸とした多様な働き方を生み出すことを目指しています。

たとえば、クラウドワークスで積んだ実績がその人の履歴書となって、企業に就職することができるかもしれない。あるときはオンライン、あるときはオフィスでの勤務を組み合わせて、自由な働き方ができるかもしれない。その上で、組織に属さない個人での働き方を実現するために必要なのは、教育と社会保障です。そのようなサポートは組織に所属すれば提供されますが、そうではない人達にそれをどのように補うかが課題といえます。

今のクラウドワークスでは仕事の依頼があってそれに応募する、契約するというプロセスを採用していますが、将来、取引データが蓄積すれば自分で仕事を探さなくても自動的におすすめの仕事が紹介されたり、マッチングしたりするようになるでしょう。仕事を頼む手間が簡単になり、適正な報酬が自動的に決められるなど機能が進化することで、働くことがより快適になれば、別のスタイルの働き方もできるかもしれない。会社・組織で雇用される働き方は残るとは思いますが、働き方が限定される世の中は変わっていくと思います。一部の人がオンラインでどう働くかということではなくて、世の中の働き方全体をどう変えていくのかのデザインが必要です。

リンダ・グラットン教授の『ワーク・シフト』という本に、外科医が国外の手術をヴァーチャルで自宅から行う、という例がありました。このようなワークスタイルの実現にはバーチャルな手術ができるテクノロジー、世界中の医師の中から最適な人材を検索するデータベース、国を超えてお金が払われるシステムが必要です。あるいは、ワーカー側には、この外科医のように人から求められるスキルを身につけることが必要ですし、そのワーカーを支える社会のしくみも必要です。

(新しい働き方に対応した)システムは、我々自身がつくらなければいけないし、放っておいても実現するとは思わない。(こうしたシステムは)部分的に実現することは難しく、社会保障との両輪で考えていく必要があります。(ちなみに、アメリカのオーデスクでは一定以上の報酬を得ている人に自ら社会保険を提供している)。

昨年夏、「クラウドワークス アンバサダープログラム」を立ち上げました。地域のNPOや企業、行政、自治体と連携し、地域活性化のためにクラウドソーシングをどう活用するかという視点で活動しています。

クラウドソーシングを使って地方の人口減少や雇用の問題をどう解決していくのか、リテラシーの低い人にとっても使いやすい環境を作るにはどうしたらよいのか、活用セミナーの開催や受発注のアドバイス提供といった取り組みを続けています。この先、各地域のアンバサダーの支援の下に、クラウドソーシングを利用したヒット商品が生まれ、地域経済が潤うといった事例が増えるといいと思います。

Q. 読者の女性に対してメッセージをお願いします。

クラウドワークスでは女性のワーカーが多く活躍しています。クラウドソーシングでの仕事は雇用ではなく個人事業主として請けるものですので、仕事の獲得には競争の要素もあります。仕事はもらえて当たり前ではなく、スキルのアピールや責任感が非常に大事です。

うまくできない、競争は怖い、サポートが足りない、スキルが足りない。言い訳はいろいろあると思うのですが、たとえすべての条件がそろっていなかったとしても、まずはチャレンジしてみることが必要ではないでしょうか。女性がキャリアと家庭の両立に悩む時期は限られています。悩んでいる間に時間はどんどん過ぎていきますから、少しでも現状をよくする努力をしなければ、結局求めるものは何も得られないまま終わってしまいます。

まずは自分自身がやってみる。甘えを捨てることなしに(将来は)開かれることはないと思います。

足りないものは要求することで道は開かれるし、世の中は動いていきます。そのために、クラウドワークスとしてもできる限りのサポートをしていきたいと思います。

おわりに:

終始わかりやすく、丁寧にお話しくださった田中さん。

自ら夢を作り、伝え、未来をつくるという力強いメッセージをいただきました。

新しい労働市場や働き方の変化は、読者世代の女性にも大きな影響を与えるのではないでしょうか。

大きな可能性を秘めたクラウドソーシングから今後も目が離せません。

更新の励みにもなりますので、こちらからご意見・ご感想など お聞かせ頂けると嬉しいです!

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