Ane会Times

TheAne会Times|大人の女性が楽しむwebマガジン

不妊治療、やめました 堀田あきお&かよさんインタビュー 【後編】

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

前編はこちら

Q.  漫画からは夫婦の絆が伝わってきました。不妊治療の経験を通じて得たものは?

(かよさん)

ご家庭によって状況はそれぞれ違います。家業を継がなければいけない、どうしても子供が欲しい、という場合もあるので、私の立場で子供はいなくても楽しいよ、とはなかなか言えない。自分たちのケースは、たまたま諦めやすかったのかもしれない。

子供がいなくても、いいこともいっぱいあった。また、子供がいればそれなりの生活があったと思う。

不妊治療は決して不幸なことじゃない。治療は大変だし、悩むことも多いけど、いい体験だったと思うし、そこから見えてくるものもある。

私たちは漫画が描けたので、自分たちの体験を色々な人が読んでくれて、「辛い思いをしたけれど救われた」、「主人に読ませたら大変さをわかってもらえた」というメールやお手紙をいただきました。不妊に悩む方だけでなく、子供を産まれた方や若い男性もいます。

不妊に限らず、ある事柄を知らなければ、誰かを思いやろう、助けよう、となかなか思えない気がします。

私もすんなり子供を産んでいたら、不妊について知らない一人になっていたと思います。運よく不妊の側の気持ちを体験してわかるようになった。夫婦で漫画を描くこともできて、いい経験であり、人生の力になった。

不妊治療をずっと続けていて子供ができなくても、長い目で見たらがっかりすることではない。そして、もし子供ができれば両方の気持ちがわかる。

不妊治療をしないと決めている人、子供を持たない選択をする人もいる。それぞれの個人に選択肢があるし、お互いが尊重できればいいと思う。

お子さんをお持ち方が、インターネットで子供がいない人を非難しているのを見かけますが、本当に悲しい。それぞれ立場があるのだから。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Q. 不妊治療についてご意見をお願いします。

(あきおさん)

女性は外で働く人が増えて、いろいろ大変になっている。

(かよさん)

日本は育児に冷たい国で、預けて働く土壌ができていない。人生設計を考えてしまいます。それなのに、「産め」と言わんばかりの風潮は腹立たしいです。

(あきおさん)

自分たちが不妊治療をしていた頃は、保険も使えなかった。

(かよさん)

治療は今でも高額な治療費がかかります。育児の環境が整っているところで幸せに産めたらいいけれど、社会でもっと真剣に考えてもらいたい。

(あきおさん)

夫婦でも、子供を持つことについてきちんと話し合う機会は持った方がいいと思う。いずれ子供が欲しくなるかもしれないし、よく考えた上で結論が出たのなら後で納得できる。あれだけ話し合ったのだから、と。不妊治療もこれだけ頑張ったのだから、と自分が納得できることが大切。

(かよさん)

産婦人科では、子供を産むための治療はしても、不妊についての相談にのってもらえない。どの病院でも2、3時間待って診察は5分程度で、治療に結びつかない相談はできない。不妊の方にとっては一番の悩みだと思います。

(あきおさん)

病院に行くと、いきなり子供を作る話をしてくる。当たり前だけど、その前にワンクッション置いてほしいです。自分は治療する本人ではなかったけれど、機械的に対応するのではなく話を聞いてほしい。

(かよさん)

私は治療ノートをつけていて、役に立つかもしれない、と思ってお医者様に見せたら必要ない、と言われました。検査をして治療計画を決めましょう、と言われた。不妊治療が生殖医療になっていて、できるだけ効率よく、何人産ませたかが病院の実績になるのでしょう。

私は友達から相談を受けることしかできないので、漫画が描けたのはよかったです。

不妊について友達にはなかなか話せず、夫婦で抱え込んでしまいがち。私にメールを書いてくださる方も、今まで不妊については話したことがない、という人がたくさんいました。

(あきおさん)

患者さんがどんな気持ちで治療に臨むのかを知るために、看護師さんの副読本になったこともありました。

(かよさん)

妊娠しやすい体作り、治療法についての本はあっても、不妊治療の当事者の気持ちで書かれた本はほとんどなかった。

(あきおさん)

やっぱり子供って縁じゃないですかね。

(かよさん)

子供ができなければ別の縁が広がっていく気がします。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Q. 今後のご活動は?

(かよさん)

これからも私たちは私たちなりの漫画を描いていきます。

今は母の介護の漫画を描いています。「子供を持たなかったご夫婦はその後どうなりましたか?」と聞かれるので、子供がいないとはどんなことか、夫婦はどんな人生を歩んでいくのかを描いていきたい。

不妊という難しいテーマを扱いながら、終始なごやかにお話していただきました。内容をもっと詳しく知りたい方は、ぜひ漫画をお手に取ってみてください。

堀田あきおさん、かよさん、有難うございました。

更新の励みにもなりますので、こちらからご意見・ご感想など お聞かせ頂けると嬉しいです!

Return Top