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村山 澄江さん Sumie Murayama

 

『コムスメ司法書士から女性士業家へ』


16年越しの出会い

村山さんは、同業の司法書士の方々だけではなく、異業種の方たちにも知り合いが非常に多い。その理由は、彼女のブログにありました。独立前、司法書士事 務所に勤務していた時代から、彼女は「コムスメ司法書士の日常」というタイトルで、全く仕事に触れない(笑)、かなり個性的な内容(シュールと評されるこ とが多かった)のブログを展開していました。

そのブログから、多くの異業種の方との出会いにつながったと彼女はいいます。その中で、ある女性との出会いが最近ありました。その彼女は、村山さんのブログを励みに司法書士試験に合格した女性。

Q.最近、6年越しの出会いがあったと伺いましたが。

ある日、Facebookに一通のメッセージが届いたんです。

そこには、6年前から自分のブログを読んでいてくれたこと、司法書士試験の勉強中に励みにしてくれていたこと、合格したら会いたいと思っていてくれたことなど、赤裸々に思いが綴られていました。

その後、実際にその彼女に会う機会が訪れます。彼女の純粋な思いに触れ、コムスメだったころの自分を思い出したり、今の自分を見つめることができたりと、私自身にとっても感動的な体験でした。先輩として恥ずかしくないようにしないといけないですけどね(笑)

2漫然と考えていた将来像

1979年。名古屋市生まれ。放任主義の両親に育てられた村山さんは、(自称)運よく早稲田大学へと進学します。同級生の中には、大学1年生から弁護士を目指し、勉強に明け暮れている人もいましたが、その道は選択しませんでした。そこまでの覚悟はなかったんです。

Q.法律家というと弁護士というイメージが強いですが、目指さなかったんですね?

実は、司法書士になって『街の法律家』を目指すというのも、最初から決まっていたわけではないんです。法学部に入ったものの、司法試験を目指すわけでもなく、将来についてはぼんやりしていました。
そんなときに、友人が詐欺被害に遭ってしまい、「身近に法律相談ができる人がいたら防げたかもしれない」と感じたのが、はっきりと法律家になりたいと思ったきっかけです。
そ して法律に関わる仕事を考えていく中で、自分の性格上、法廷で闘う仕事は向いていないと思っていました。誰かの悪口を聞くだけでその場から立ち去りたい くらい、争い事は苦手なのです。一日中勉強に明け暮れる司法試験をやりたくなかったのもホンネとしてはありますけど(笑)。
実は、生協の書店で資格の本を読んで初めて司法書士という職業を知りました。その中の「街の法律家」という言葉が強く印象に残り、しかも1年合格が可能ということで目指すことにしました。

Q.勤務時代には、どんなことを学んできましたか?

司法書士試験合格後は、都内の司法書事務所に勤務することになりました。
その事務所では、主に相続案件を数多く担当することになりました。職務に関する戸籍なら職権で取り寄せができます。最初はまったく読めなかったミミズの ような文字も、徐々に読めるようになってきたら、家族の歴史がみえてくるのが面白くなってきて。おかげで古い戸籍の解読は趣味の一つになりました。

Q.勤務時代に成年後見制度の活動を始められていますよね?

勤務時代から、当初の目標であった「街の法律家」を目指し、成年後見制度に興味を持つようになります。自分はおばあちゃん子だったので、高齢の方と接す ることの多い成年後見業務に魅力を感じ、さらに地域に貢献できそうな点もこの業務に積極的に関わろうと思ったきっかけです。

2005年よりリーガルサポート会員として、区の相談業務などにも携わっています。この仕事は、「法的手続き」のみならず、「人と向き合う」仕事。知識だけでなく人間力も問われます。大変なこともありますが、そこが自分のやりがいであったりもします。

3開業は勢いで

その後、30歳で独立開業することになった村山さん。所長(当時)の助力もあり、まずは元居た事務所の一角で独立の第一歩を踏み出すことになりました。

Q.勤務時代から7年。独立のきっかけは?

実は勤務司法書士で7年というのはかなり長い方です。所長の右腕として役に立てるのがうれしくて勉強を重ねていました。そして7年目のある時、急に所長から「独立しないのか?」と聞かれ・・・「では独立させていただきます。」って。そんなノリです。
実 は、当時家族の闘病期間と重なっており経済的な不安がなかったわけではないのですが、「きっと所長からの太鼓判だ」と自分の都合の良いように解釈し、準 備期間ゼロ日で独立。なんと無謀な奴なんだと周りからは驚かれましたが、自分としては流れに身を任せたという感覚でした。最初は事務所内で独立をさせてい ただき(場所は移動せず、お給料をもらうのをやめて家賃を入れる形に変わっただけです)、とても助かりました。寛大な対応をしてくださった所長には今でも 大変感謝しています。

Q.勤務時代と独立してからの変化はありましたか?

独立開 業してからは、ありがたいことに紹介のお仕事が大部分を占めています。 面白いことに、仕事につながったらいいなと思って人と接していた勤務時代より(当時も所員としての仕事と並行して、自分の名前でも仕事をしていました)、 「一緒にいて楽しいから」という理由で純粋に仲間として付き合っている人達からお仕事の依頼がくることが多いのです。仕事も遊びも、やはり「人ありき」な んですね。
変化といえば、時間の使い方が自由になりました。昼間の打ち合わせにサッといけるのはすごく大きなメリット。とはいえ、今も勤務時代と変わらず8時前には出勤しているので生活リズムに大きな変化はないのですが。

Q.独立当初と、3年目を迎えた今との違いはありますか?

独立当初に比べて、おかげさまで仕事も安定してご依頼いただけるようになりました。目の前の仕事を丁寧に誠実にやっていけば、仕事がぱったり減ることはないのかなと。そんな実感がもてるようになってきました。

4当たり前のことを長く続ける

Q.今の目標があれば教えてください。

合格してから10年目の今、改めて原点を見直す時期に来ていると思っています。なので、新たに大きな目標を立てることよりも「当たり前のことを地道に続 ける」というのが、今の目標です。単に「法的手続き」だけをするのではなく、「人と向き合う」仕事を選んだからこそ、一つ一つ当たり前のことを大切にした いと思っています。

自分が後見人としてかかわらせていただいている方に言われたんです。「もうあなた一人の体ではないんだから。風邪ひくなよ。」って。私が倒れたら困るのは自分だけではないなと改めて感じました。時に仕事に追われて、ドタバタしてしまうこともありますが、初心に戻る時間を意図的に作りたいと思っています。

Q.最後にこれからチャレンジしたい女性に一言お願いします。

私一人の力で、開業できたとは思っていません。これまで家族、友人、知人と多くの方々の支えがあって、ここまで来ることができました。私たちのような業界は特にそうですが、人の繋がりがとても大切です。

たまたま気分転換に始めたブログ。最初は、仕事のことを全く書かないと決めて普段の様子を面白おかしく発信していました。司法書士らしからぬ変な記事ば かりだったせいか、マニアな読者(?)さんも出現しました。読んでくださっている方とのやりとりが楽しくてブログはずっと続けています。文章に人柄がよく 出ているといわれることがあります。私という人間に興味をもってくださり、今ではお仕事のパートナーとなっている方も少なくありません。
まずは、小さなことと思わずに、継続して続けることを見つけて、それをやり抜くということが自信につながったりします。何がきっかけでどんな面白いことが起こるかわからない。その小さなステップが大きな道になることだってあると思います。

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