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認知症の妻へ送る、かけがいのない一枚を作る。写真家・寅貝真知子

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本当の自分を写す「ローレフォト」

3月26日産経新聞全国紙のヒト欄に取り上げられた写真家をご存知でしょうか。

幻想的な絵画のような写真を「ローレフォト」で話題の寅貝真知子さん。

彼女の表現する写真は、見る人を引き込み、それが本当の絵画であるかのような気持ちにさせます。

「一人の人間には、親として顔。仕事上での顔。子どもとしての顔。様々な側面があります。そのなかで、本当の自分を引き出し、その姿を表現したくて、それを追求した結果。自分にしかできない『ローレフォト』を考案しました。」

ローレフォトとは、フランス語の「役割」を持たせた造語。彼女が、ローレフォトを通して、役割を持つことになった写真の数々とそのエピソードを連載企画でご紹介したいと思います。

ローレフォトイメージ(1)

痴ほう症の妻との思い出の写真をローレフォトに

写真からローレフォト (2)

あるとき、寅貝さんの元へある老紳士から一本の依頼が届いた。

———私たち夫婦が大切にしている写真を蘇らせて欲しい。

その依頼内容が気になり、寅貝さんは、その方の元へ出向くことにしました。

そこで、待っていたのは、ご依頼人の旦那さんと認知症の奥様。

「認知症は、最近の記憶はすぐに忘れてしまうのですが、昔のことはずっと覚えている。私は妻と二人でよくこの写真をみながら、昔のことをはなしているんです。この写真のことを話すと妻が本当に色々なことを嬉しそうに話すのです。」

とおっしゃっていました。

お家にお邪魔して、当時のこと、今までの歩みについて、アル バムを拝見しながら沢山のお話をお伺いしました。残っている写真はモノクロで、少しカビが生えてひび割れている状態でした。でも、この日のことを、ご主人は本当に鮮明に覚えおられて、当時の奥さんのスカートの色まではっきりと記憶されていて、話を聴いているうちに、私にもその情景が伝わってくるようでし た。これは初めてのデートで撮った写真だそうです。

お話を伺った寅貝さんは、お話を頼りに写真をローレフォトへと仕上げていきました。当時を思い起こすご夫婦の様子を思い起こしながら。

そして、完成したのが、この一枚。

atorietorako写真からローレフォト(1)

ヒビ割れの写真は、色を持ってよみがえることになりました。

「ベッドルームに飾っていて、朝起きたら毎日、この写真を見て、この時のことを二人で楽しく話しています」

奥さんにとっては、きっと毎日が新しく、新鮮に感じられるのだと思います。

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