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社内トラブルから自分を守る4STEP|◯◯ハラスメントの原因は世代間の環境の違いにあった

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頻発する◯◯ハラスメント

セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティーハラスメント、モラルハラスメント。最近は、メディアでも頻発される◯◯ハラスメント。その大きな原因は、世代間のコミュニケーションや意識の違いにあります。

  • 「ふだん優しい上司だったのに、どうして突然あんなに激しく怒り出したんだろう?」
  • 「セクハラの相談をしたら、先輩から、そんなのセクハラじゃないって言われた!」
  • 「いつも女性の味方だと言っていたあの人が、なぜ、男性の肩を持つように?」

どう考えても原因が解らない。誰にも説明してもらえない。その日を境に、それまで築いていた信頼関係が崩れてしまう。

そんな、世代間の違いを理解するための4つのステップをご紹介します。

Step1.『4つの世代』について確認しておく

まず、あなたのオフィスの同僚が属している世代を確認しましょう。

『世代』と言っても生まれた年で区切る『バブル世代』『ゆとり世代』というような区分ではありません。

企業に入り、数年かけて会社の概要や仕事のやり方を覚え、人間関係を築くうちに、どんな人でも「会社とはこういうものだ」「仕事とはこういうものだ」「会社の人間関係とはこういうものだ」という『概念』を持ちます。自分が身を持って学んだ『概念』は、それを好きであろうとなかろうと、自分の一部。 実体験に基づく「学習」の結果として、個人個人の人格の中にじわじわと浸透して行きます。たとえそれが後から否定されても、心のどこかに住み続けるものと言えます。つまり、会社員としての“人格”のようなものが形成されるわけです。

ところが、これは普遍的なものではありません。ターニングポイントとなる年があり、その年を境に、がらりと変化することがあるのです。読者の皆様のオフィスにも、次のような4つの世代の人々がいるのではないでしょうか。

  1. 1986年までに会社員としてのスキルを身に着けた世代
  2. 1997年までに会社員としてのスキルを身に着けた世代
  3. 2007年までに会社員としてのスキルを身に着けた世代
  4. 2008年以降に会社員としてのスキルを身に着けた世代

 

1986年、1997年、2007年。

そう聞くと、お気づきになられる方もいらっしゃるかもしれませんね。それは、サラリーマン一人一人の意識変革が迫られる“法律”の施行年でした。

1986年には、通称『男女雇用機会均等法』の施行。1997年には、その改正。2006年から2007年にかけては、通称『日本版SOX法』と呼ばれる 複数の法律の施行があり、その一部は2008年の事業年度から適用されました。ピンと来ない方のために端的に言うと(ちょっと乱暴な言い方になります が)、次のようにも言えます。

  1. 1986年までにスキルを身に着けた世代は「男尊女卑世代」
  2. 1997年までにスキルを身に着けた世代は「セクハラ世代」
  3. 2007年ごろまでにスキルを身に着けた世代は「パワハラ世代」
  4. 2008年以降にスキルを身に着けた世代は「ゆりかご世代」

 

男尊女卑世代

ことわっておきますが、男尊女卑世代=女性差別をする、ということではありません。

「男尊女卑世代」とは、会社の組織や給与体系に至るまで全てが男 尊女卑ありきで成り立っていた時代に、社会人としての基礎を学んだ人、ということ。なお、この世代は、1.から2.へ、2.から3.へ、3.から4.へと いう、3回のターニングポイントを経験しています。

セクハラ世代

同様に、セクハラ上司がいても、その上司の行為が決して罰せられることがないという環境で育った世代が 「セクハラ世代」。この世代は、ターニングポイントを2回経験しています。

パワハラ世代

パワハラという言葉もなかった頃に、言葉や肉体の暴力を浴びせる人間がオフィスにいて、その言動を見て(自分も被害を受けて)育った世代が「パワハラ世代」。この世代は、ターニングポイントを1回経験しています。

ゆりかご世代

「ゆりかご世代」と は、内部統制、法令順守が叫ばれる中、上の世代の上司や先輩たちからゆりかごの赤ん坊をあやすように「そっと扱われた」世代です。

目安としては、入社3~10年目ぐらいが、どのターニングポイントの前かということ。研修で学んだ後、実際の組織に配属されて、自分の仕事のスタイ ルを構築するまでの時期です。コツコツと人間関係を築いていれば、対話の中で、相手がどの世代に属しているのかだいたい解ってくるはずです。あなた自身がどの世代に属しているにせよ、他の世代の同僚たちが生きて来た背景を知っておくことは、“地雷”を踏まないための第一歩なのです。

Step2.『世代別の信管』を頭に入れる

あなたが何もしていないのに、突然、あなたに向かって“地雷”が炸裂することはありません。“地雷”が爆発するのは、あなたが信管を踏んだ時。すなわち相手と対話している時、あるいは対話の直後です。そこで、世代別、性別に、地雷の“信管”になる確率が特に高いと思われる例を挙げましょう。この“信管”は、会社や業態によっても異なるかもしれませんが、概ね、次のような傾向がみられるようです。

  1. 「男尊女卑世代」の女性の信管は、「馬鹿にされること」
  2. 「男尊女卑世代」の男性の信管は、「権利の主張」
  3. 「セクハラ世代」の女性の信管は、「些細なセクハラの相談」
  4. 「セクハラ世代」の男性の信管は、「セクハラ扱いされること」
  5. 「パワハラ世代」(男女とも)の信管は、「イライラさせられること」
  6. 「ゆりかご世代」(男女とも)の信管は、「意味不明の要求」

もちろん、同僚をいちいち型に嵌めて観察する必要はありません。その人個人の性質、あなたとの相性がいちばん大事。ふだんはこんな世代のことなど忘れていて構いません。ただ、“地雷”は、仲が良ければ良いほど、炸裂しやすいもの。仲が良ければ、あなたが腹を割った話をしがちですし、相手の心に踏み込んでしまう可能性も高くなるからです。相手との間に、「うまくいく」と思える人間関係があるのなら、なおのこと、世代の違いゆえのウィークポイントを頭の隅に入 れておくべきなのです。

Step3.『世代別の信管』を踏まないための対処法

「男尊女卑世代」への対処法

男尊女卑が当たり前とされた時代にサラリーマンとしての基礎を築いた世代は、男性と女性で、地雷の信管の種類が、まるで違います。女性の場合、今ならありえないような、あからさまな差別やセクハラ、パワハラに耐えて来た人が多く、性差ゆえにチャンスを潰されたり、夢に破れたりした経験から、その反動 で、若い女性のキャリアアップを応援する傾向があります。

ただ、なまじハラスメントを掻い潜って来ただけに、自分がかつて受けたハラスメントの追体験に思えることについては、過剰なまでに反応しがち。特に 「馬鹿にされる」ことに我慢ができない人は、少なくありません。そういう人は、一旦「馬鹿にされた」と感じたが最後、「可愛さ余って憎さ百倍」状態とな り、絶対に許してくれません。この地雷の信管を踏まないためには、どんなに親しくなっても、

相手を敬う態度を崩さないこと。

いくら相手が気安く見えても、タメぐちをきいたり、軽んじた態度はNGです。

一方、この世代の男性は、とかく「女は男よりも下」とされた時代に育っているため、今もなお、心のどこかでそう思っているところがあります。どんなに穏やかで優しい男性であっても、この世代の男性は、女性が理詰めで立ち向かって来るのを、本質的には歓迎しません。特に女性や目下の者から強く「権利」 の主張をされると、キレることがあります。それも、昨今の風潮を反映して、無言で離れるようなキレ方で。

“女のくせに”“生意気な”という思いを引き出してしまったら、たとえそれを相手が口にしなくても、地雷の信管を踏んだのと同じこと。そうならないためには、自分の主張を「権利」として振り回す態度はNG。あくまでも、相手を頼って相談してください。また、この世代は、すべてのターニングポイントを経験しているわけですから、次の対処法も押さえておく必要があります。

「セクハラ世代」への対処法

セクハラには、性別を理由に仕事の機会を奪うというものから、性的に不快な思いをさせるといったものまでさまざまですが、1997年の法改正で女性に対するセクハラ規定が整備されるまでは、仕事中の女性が男性社員から体を触られたり、卑猥な言葉をかけられたり、容姿をからかわれたりというようなことは、多くの会社で見受けられました。

宴会に強引に参加させられ、お酌や、チークダンスの相手をつとめさせられたり、自分の仕事の成果を年下の男性上司に横取りされたり、という日々を生き抜いて来た女性は、

「課長がSNSのアカウント見つけちゃったみたいなんですよ。これってセクハラ?」

などという後輩の言動に、心の底から共感することはできません。「それぐらい!」と吐き捨ててしまったり、急に冷たくなったりすることがあります。この類の地雷の信管を踏まないためには、

セクハラに関する相談を安易にしないこと。

悩んだ末の相談であっても、最初から決めつけるような言動は禁物です。どうしても話したければ、「課長がSNSのアカウント見つけちゃって、なんだか微妙に嫌なんですけど、私はどうすればいいんでしょうか」というように、“セクハラ”という言葉を使わずに話す工夫が大切です。

男性陣は、さらにナーバスと言えるかもしれません。それまで上司や先輩たちが行っていた傍若無人なふるまいが、ある時から処罰の対象に激変するのを目撃してきたのが、この世代の男性陣です。

「何がハラスメントと言われるか解ったものではない」

という、恐怖心のようなものさえ抱いています。もともとセクハラなどしない人であればあるほど、「疑いをかけられないように」気をつかっているも の。だから、後輩や部下が軽い気持ちで「やだ~、それってセクハラじゃないですか~?」などとからかうと、“冤罪だ!”という気持ちに追い込んでしまうこ とがあるのです。この手の地雷の信管を踏まないためには、たとえ冗談でも相手の行動を「セクハラ」と決めつけたり、まして、からかったりしないことです。

「パワハラ世代」への対処法

2007年前後に会社の内部統制、法令順守(いわゆるコンプライアンス)が叫ばれるようになると、階層別研修などによる「パワハラ防止策」を講じる企業が増加しました。けれども、現在パワハラと呼ばれるケースには、かつては公然と『教育の方法』とされていたようなことも含まれています。厳しい言葉や態度でしごかれて育った世代の中には、その実体験から、パワハラもどきの教育方法を「善し」と受容する人と、「良くない」と弾劾する人があります。

パワハラもどきの教育方法を「良くない」とする人も、「善し」と受容する人も、実は、どちらの側面も見て育って来ているもの。このため『自分と同じペースでは上達しない後輩』『同じ失敗を繰り返す部下』など、

“自分が育った時代なら、まず間違いなくパワハラを受けたに違いない”と思えるケースに遭遇すると、つい、苛立ってしまいます。

自分が受けた教育方法を『ある意味、良かった』と評価する「パワハラ世代」は、コンプライアンス意識で自分を抑えながらも、つい、パワハラじみた怒り方をしてしまいがち。また、『パワハラはいけない』と思っている「パワハラ世代」の人でも、

「こんなソフトな叱り方では通じていない……」

と感じると、ついつい、イライラしてしまうのです。この世代の人は、男女問わず、『言いたいのに言えない』ジレンマが頂点に達した時、爆発してしま うことがあるようです。それも、本人は抑えたつもり(なぜなら自分が受けたパワハラよりはずっと優しくしているつもり)だったりするから、ややこしいのです。

一方、爆発しないでいられた人の内面は、実はもっと恐ろしいかもしれません。訴えられるリスクから自分を守るため、イライラがMAXになった時点で、相手から離れてしまうのです。つまり、見放してしまうというわけ。優しいからでも、怒らせる要因がなくなったからでもなく、ただ、かかわりあいを絶た れただけなのかもしれないのです。

人間は、必ず、感情のサインを出します。この世代の相手がイライラをちらりと見せたなら、その時が、『サイン』。地雷の信管を踏まないためには、会 話をそこで一旦やめて(物理的に遮断する)出直すか、相手の関心を、あなたから何か別のものに向けさせることが有効です。相手の性格にもよりますが、

即効性があるのは、相手を主役にすることです。

「どのように、このスキルを磨かれたのですか?」

と、相手が話したい方向に水を向けると、イライラが引っ込み、熱心に教えてくれる場合もあります。

「ゆりかご世代」への対処法

ゆりかご世代は、男尊女卑、セクハラ、パワハラの実体験に乏しいため、オフィスの同僚たちの心の奥底に潜む、それぞれの考え方を想像できません。また、「クレームをつける」ことへの抵抗感が薄いため、沸点が低いといえます。もしあなたが「ゆりかご世代」でないなら、今までどおり、

腫れ物に触るように接するぐらいで正解です。

この世代相手に、どうしても何らかの働きかけをしたくなったら、行動する前に、自分の心に問いかけてみて下さい。

『相手のために、言ってあげた方がいい』などと考えていませんか?

もしそうなら、まず、あなたと同じ世代の同僚か、あるいは上司に相談すること。会社として対処が必要なほどの問題であれば、上司が対処法を考えるはず。また、盲点になるのが、この世代の「使い方」です。「ゆりかご世代」は若い世代のため、組織の中では雑用が多いはずなのですが、自発的には動きません。いわゆる「使いっぱしり」を経験させられて来た1~3の世代と違い、「目下の者が動かねばならない」などという発想がありません。

自分の代わりに予定表に書き入れてもらいたいとか、大量にある資料を持ってもらいたいという状況でも、頼まなければやってくれないと考えた方がベター。もちろん、頼めばやってはくれますが、

「なんであの人から?」

「なんで私が?」

などと、いちいち頭で受け止め、疑問を抱きがち。この世代に雑用を頼むなら、

『目下だからやるのが当然』という考えは捨てましょう。

お願いモード全開で頼み、「後であなたの上司にちゃんと言うから」と、ひとこと添えるのを忘れないで。

Step4.地雷が爆発してしまった時

どんなに気をつけても、地雷が爆発することはあるものです。でも、どの世代であれ、地雷を炸裂させてしまったら、爆発した本人も気まずくなるもの。相手が自分よりも上の世代だった場合、爆発後に人間関係を修復できるかどうかのカギは、爆発した本人ではなく、信管を踏んだあなたが握っています。

あなたが相手の爆発に怒りを向け、告発してしまうと、関係の破壊は決定的なものになってしまいます。信管を踏んだ事実に目を向けて、相手の爆発を一旦受け入れてみましょう。

少し、冷却期間を置くのです。お互いに頭を冷やして、そして、できるだけ相手の悪口を言わないことです。そして、話せるようになったら、歩み寄りましょう。理解できなくても、相手の気持ちに耳を傾けるのです。

心のドアを閉ざさずに、相手が謝るチャンスをあげましょう。

気をつけなければいけないのは、上の世代が下の世代を爆発させた時。その場合は、こちらにそんなつもりがなくても、「ハラスメント」扱いをされてしまう可能性があります。そんなときは、できるだけ早く上司に報告すること。「○○ちゃんとは仲良くしてきたんだから、まさかハラスメントとして訴えたりはしないだろう」などと悠長に構えていると、痛い目を見るかもしれませんよ。

いかがでしょうか。

この4つのステップは、世代によっては、自分が経験していないことを知識から想像し、相手を思いやるという姿勢が必要なので、難度が高いものと言えるかもしれません。けれども実は、家庭の中や夫婦関係にも応用できるものなのです。身につければ、あなたの心の安定に役立つことでしょう。4つのステップを使って、あなたのオフィスライフもプライベートもよりいっそう輝かせてみて下さい。

寄稿者について

株式会社日淺Ane会Times編集長編集長・日淺 光博
Ane会Timesの編集長をやっています。会食、イベント、仕事でのつながりを通して、3年間でのべ1,000名以上の女性とお会いしてきました。お会いした方々のエピソードもご紹介させて頂きます。

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