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ワークライフバランスのプロに学ぶ、夫が積極的に家事をするようになる秘訣とは?

 寿退社が当たり前の時代

武部さんが社会に出たときに最初に働いたのは、当時では珍しく女性社長が経営するアパレル企業で、デザイナーなどの専門職には多くの女性が働く職場でした。

「当時、雇用機会均等法が出来る前の雰囲気では女性は、結婚したら家庭に入るのが当たり前。1名だけ子育てをしながら働いている先輩もいましたが、独身で仕事を続けるか結婚したら会社を辞め、家庭に入るか、の二者択一を求められる時代でした。 」

武部さんもこの会社に数年勤務した後、20代前半で結婚。退職し、その後、労働組合で働くことになります。そこでは、今の先駆けというべき職場保育所がある環境で働くことになりました。

「出産を経験した後、夫と二人三脚で、子育てに奮闘していました。今で言えば、夫は”イクメン”の先駆者になります。」

夫と二人三脚での子育て

武部さんは、仕事をしながら子育てを行っていましたが、それは夫の協力なしではできませんでした。

「私の仕事は、日本医労連という全国組織の中で、出張が多くある仕事でしたので日々出張の準備にも追われ 、夫に協力してもらわなければいけない状況でもありました。」

夫は、そんな妻の状況を見て、自身でも、家事や育児、保育園の送迎など、積極的に家事に関わってくれたそうです。

 夫が、積極的に家事をするようになる秘訣

「とにかく褒めちぎって、調子に乗ってもらうことです(笑)最初は食器を洗う、掃除をする事から始めて、それに対して心底感謝の思いを伝える。すると、次はコレ、その次はコレと夫の守備 範囲が広がっていきます。そうなれば、徐々に”イクメン”として頼りになる存在にな っていきます。」

徐々にイクメンになった夫 が、こう話していたことがあるそうです。

”試合に勝って、勝負に負けた”

褒められて、いつの間にか家事を覚えた時には、妻の手のひらでうまく踊っていたという感じではないでしょうか。もちろん、それは嬉しい意味で言っています。

 「でも、まだまだ、夫が家事をすることに理解のなかった時代。夫の職場では、家事をさせられるなんて、よっぽど恐妻家なんだね。と言われることもあったみたいです。夫としては、自分も一緒にやることで、妻を支えているという誇りがあったといってくれます。」

ガラスの天井。そして、子育ての悩み

こうして、一人目のお子さんを二人三脚で育ててきた武部さんに2つの悩みが降りかかりました。

 一つ目は、”ガラスの天井”

(編集部注:「ガラスの天井」とは、英語の「グラスシーリング」(glass ceiling)の訳で、組織内で昇進に値する人材が、性別や人種などを理由に低い地位に甘んじることを強いられている不当な状態を、キャリアアップを阻む“見えない天井”になぞらえた比喩表現です。もっぱら女性の能力開発を妨げ、企業における上級管理職への昇進や意思決定の場への登用を阻害する要因について用いられることが多く、ガラスの天井の解消を図ることが、職場における男女平等参画を実現する上で重要な課題となっています。)

子育てとの両立を図りながら、仕事でもそれなりに成果をだしていると自負していた武部さんですが、こんな悩みに遭遇します。

「当時、男女平等をスローガンとする労働組合で、男性と同じように働いていましたが、人事配置などは、総じて男性優位の体質が残っていました。そのときに”ガラスの天井”の存在を痛感し、女性の働き方を考えることになりました。」

そして、もう一つの悩みが、お子さんの教育。

「小さい頃から、夫婦二人三脚で育ててきましたが、小学校高学年になってくると、子どもの学業での遅れがわかるようになりました。これは子ども自身の能力というより、母親として手をかけて あげられなかったという思いを強くしました。」

こうして、ガラスの天井と子どもの教育という、女性が働く上で、大きな悩みとも言える課題にぶつかり、武部さんは、独立を決意することになります。

お話を伺った方

P1040350武部純子さん

ワーク・ライフ・バランスコンサルタント
社会保険労務士

アパレル企業や団体職員として勤務しながら、育児休業を取得した夫と手を携え、一男一女を育てる。「ガラスの天井」に悩む中で、一念発起。1999年に社会保険労務士事務所を開業。現在は、自らの経験と専門性を活かし、ワークライフバランスコンサルタントとして講演活動を行う。女性が働き続けながら幸せになるための方法の伝授に使命感を燃やしている。

著書

「脱・不機嫌な女」(柏書房刊)
「麻布アメフト部員が育つまで ~と、母が見た麻布~」(YELL books)

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