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プロが語る。着物コーディネートで知ってほしい和文化と教養|男目線のいい女

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株式会社江戸前のデザイナー・カワイヨシロウさんと、銀座木挽町の路地裏でバーを開くバーテンダーでありながら、ファッションブランドのプロデュースも手掛ける栗岩稔さんに[男目線のいい女]と題して、特別対談をしてもらいました。

40代後半のお二人が好き勝手に、「いい女」について語っています。

接客業として、裕に10,000人を超える女性を見てきたお二人の人生経験から、「いい女の持っている要素」とか、「日本文化」について多岐にわたる話題ばかり。自分の生き方も考えるとても良い時間になりました。

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カワイヨシロウ

1998年に京都の呉服メーカーを経て独立。個展などで自身の着物デザインを草の根で広げる。
2006年には、大分県湯布院の旅館、界ASOのウエア・雑貨のデザイン。2007年に、和装・和雑貨を販売する、株式会社江戸前の代表に就任し、ペニンシュラやパリの有名レストランとの和装デザインで注目を集める。2008年にはダンヒルの着物をデザイン。2009年は和テイストのタウンウエアー、波芝も発表。

栗岩稔(クリイワ・ミノル)

バー テンダーとして自分のバーを経営をしながら、洋服やカバンのプロデュース、販売をする異色の経歴を持つ方。それも、20代は、ファッション業界に身をお き、誰もが知るカバンブランドを仕掛け成功に導く。その後、バーテンダーに転身。現在は、「SENSO」「NAOKO」ブランドのプロデュースを手がけて いる。

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(聞き手:Ane会Times編集長 日淺光博)

自分にあった着物スタイル

栗岩 河合さん着物の仕事をされているんじゃないですか。この前、お店に一緒に来られた女将さんも、ステキなお召し物でしたね。河合さんのスタイリングですよね。

河合 そうです。そうです。

栗岩 河合さんが、スタイリングするときに決める基準ってありますか?

河合 ちょっと専門的な話しになるんですけど、洋服を選んであげるのと、着物を選んであげるのでは、似合う色が全然違うんですよ。洋服は、肉で着るんですけど、着物は、骨は着るっていうんですよ。

栗岩 いい話になってきたな。

河合 だから、なで肩とか、肩が張っていると言う前に、姿勢の悪い人には、似合わないですよね。今、街歩いていても、猫背で歩いている人がいるでしょ。ああいう人には、どんな着物を着せても似合わない。振り袖だから、振り袖だね。で終わる話で。

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河合 普段、着たくて着る着物と、着なきゃいけない着物があるんですよ。振袖は、着なきゃいけない着物なんだけど。着たくてきている人に、似合うものを進めないと、それは、その人にとって、着ないほうがいいものになるんですよ。

栗岩 確かにそうですね。似合わないものを着てたら、変ですしね。

河合 なので、僕の場合は、着物のスタイリングをするときに、眼の色と、その人の顔立ち、雰囲気で、その人が、どういう色が似合うか大体想像付くんですね。それが、その人の頭のなかに入っていない色もあるんですよ。その入っていない色を、しっかりスタイリングして、選んであげることによって、その人が自分が似合うもの、その人が新たな自分を知るものを提案することが、自分の仕事の価値になっているですよ。

栗岩 そうなんですね。

河合 いうなれば、パジャマからハイブランドの服まで、着るものなんて腐るほどあるんですよね。そういう環境の中で、自分の人生において、自分にあった服を提案されたっていう経験がどの程度あるか。そうはないはずなんですよ。

日淺 確かにほとんどないですね。

河合 だから、僕たちは、そういう体験を届けるために、着物という武器を使って、その人に喜んでもらう。その喜び代をお金として頂くということなんですよ。だから、買われる方は、スタイリングを買っているじゃなくて、夢を買ってくれているんですよね。もう一人自分の知らなかった自分の発見代を頂くということなんですよね。

着物を楽しむための一生ものの教養

河合 わかりやすく言えば、例えば、同じ説明するのでも、日本語で言ってあげたほうがいい人。英語で言ったほうがいい人。その人が、コンフォータブル(快適)と感じる世界で、伝えることも大切なことなんですよね。

栗岩 そうなんです。

河合 こっちの世界観で伝えたほうがいい人。あちらの世界観で伝えた方がいい人。そこを見極めていかなくちゃいけないんですね。一通りの販売だったら、自販機の世界になっちゃうんですよ。

日淺 たしかに。

河合 そういうところが、一番大事なところがあって、特に着物は大切なんですよ。なんでかっていうと、洋服にはない日本人のDNAなんですよね。母の形見とか。

河合 それは、昔は、形見っていうのは、着物の帯のことをいったんですよね。形見分けっているのは、本来は、着物の事をさすんです。だから、時計とか、車とか、洋服とかは、後からの概念なんです。そもそも日本人のDNAに刷り込まれているのが、着物なんです。

栗岩 そうですね。

河合 だから、理屈じゃないですよね。こういうことも、初めて知る知識かもしれないけど、お客様との会話の中にいれていることで、納得度や理解度というのが、全然違います。着物を切る人には、必要な知識だと思うんですよ。

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河合 深く着物を理解するから、愛着が湧く。着たくなる。っていうサイクルなんですよね。伝えていくことで、モノ自体が脈々と何百年も受け継がれていることにつながりますよね。洋服にはない概念じゃないかなと思いますね。洋服は右前。着物は男性物もすべて左前なんですね。それは、人間のDNAは、螺旋状になっていて、体の作りがそもそも左巻きになっているんです。

栗岩 ほ〜。それで左前なんですか。

河合 それで左前なんです。今のように着物の帯をどんと締めるスタイルは江戸の後期からのスタイルで。それまでは、紐をぐるぐる巻きにしていたんですよ。男性も角帯を締めるときに、丹田を温める。女性の場合は、その奥にある子宮ですね。

河合 男性にしても、女性にしても、その部分を温める理由は、小腸で血液が作られるから、そのできたばかりの血液が、全身を駆け巡るということになるから、その大本の部分である小腸、丹田を温めるという考え方なんですね。

日淺 全部、理にかなってるんですね。

河合 だれが最初に発見したのかは、わからないですけど、それが単一民族として、薄まらずにDNAとして受け継がれているんです。

栗岩 丹田ね。弓道やっていたんですけど、丹田はいわれましたね。

河合 そうそう。日本の道がつくもの。柔道、剣道、弓道、茶道、合気道、すべて丹田なんです。

日淺 さきほどの着物が姿勢の話しがあったと思いますけど、そのポイントが丹田なんですかね?

河合 そう。丹田というか、肝が座らないと、何をやってもダメ。腹をくくるっていうのは、このことですね。だから、非常に理にかなったものの考え方ですね。普段はこういう話しは、ほとんどしないんですけど、そのまま、受け止めてくれて、ある種、こういう話で、共感できる人は、いい女ですね。

栗岩 確かにそうですね。

河合 途中、この女性は、興味がないなってわかるじゃないですか。止めるのは悪いから、気を使って合わせてくれる感じ。

一同 笑

河合 キャッチボールがちゃんとできて、「今日はいい話が聞きました。」っていういい関係がうまれますよね。

次回へ続く。11月5日公開!

寄稿者について

株式会社日淺Ane会Times編集長編集長・日淺 光博
Ane会Timesの編集長をやっています。会食、イベント、仕事でのつながりを通して、3年間でのべ1,000名以上の女性とお会いしてきました。お会いした方々のエピソードもご紹介させて頂きます。

更新の励みにもなりますので、こちらからご意見・ご感想など お聞かせ頂けると嬉しいです!

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