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ママの夢、みんなで挑戦。福島県南相馬市 門馬さんの話

南相馬に素敵な女性がいると聞いて伺った。

控えめな雰囲気なのに、キラキラした目で真直ぐに強く夢を語る、芯の強さを感じさせる女性、門馬舞さんに出会いました。

門馬:「新卒で就職した時は働ければなんでも良かったんです。だから結婚した時、専業主婦になりました。現在は縁あって13年ぶりに働き始めました。そして、やりたいことが出来きたんです。不安も沢山ありますけどね(笑)」

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いままでの門馬さん

彼女は福島県相馬市で生まれ育ち、南相馬へ嫁いで同居を始めた。小学生二人の子育てをするお母さんであり、妻、お嫁さんでもある。

彼女は、新卒時は『何がしたい』ではなく、『働ければ良い』という気持ちで就職した。転職もし最後は縫製の仕事に就いた。

門馬:「ここ(相馬)では『これがしたい』という働き方は難しいです。私も何がしたいか分からなかったので、新卒の時はご縁のある仕事に就きました。でもその職場は女性には少し荷が重い職場だったので、転職して縫製業に就きました。この辺りは、多くの女性が縫製業に就いており母もそうでした。」

相馬や南相馬は昔から綿花や絹の栽培が盛んな地域。大きな縫製工場から一点モノを受ける会社まで様々な縫製関係の仕事がある。

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門馬:「結婚後は専業主婦になりました。主人のご両親を含め同居する家族たちは全員が働いていたからです。だから私は子育てと家事が仕事。東日本大震災後、南相馬フロンティアで働くまで13年間、家事と子育てに専念してました。」

現在、彼女が働くのは認定NPO法人フロンティア南相馬。

フロンティア南相馬の事務局の松村さんにも話を聞いた。

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フロンティア南相馬とは

東日本大震災の直後、個人ボランティア活動に取組んでいた有志が集い『子供支援』『生活支援』『産業支援』を行う。震災後に福島県内で設立されたNPOとして最初に認証を受けた。役員・従業員野方は地域で暮らし子育てする方、地域外に避難した方、地域外から南相馬市にやってきた方など多様な人々が係る。

門馬さんが葱を背負って来た

震災後、子供たちの遊ぶ場所が激減した福島。フロンティアは当時子供向けのイベントを多数企画していた。ママ友に教えてもらった、子供イベントへの申し込みに行ったのがキッカケ。

松村:「鴨が葱を背負って来たんです(笑)」

働くことには消極的だった門馬さんをスカウトしたのが松村さんだった。

松村:「門馬さんが事務所にイベントの申し込みに来たのが2014年6月。震災直後から様々なイベントをしてますが、皆さんネット申し込みやFAXで申し込まれます。直接、事務所に来た人は初めてでした。フットワークの軽さや行動力を感じました。」

門馬:「直接持って行く方法しか、頭が回りませんでした(苦笑)」

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松村:「門馬さんが来る少し前の事なんですが、イベントで女の子が池に落ちるというアクシデントがあって。小学生とはいえ、女の子ですから着替えを手伝うわけにもいかず。スタッフは男性ばかりでしたから、ホントに困ったんです。後日、『子育て経験のある女性が居たほうがいいよね』とスタッフと話し合っていました。」

門馬:「最初は戸惑いました。13年も働いてなかったし。働くママ友たちの話を聞いても、子供が小さいと働くのが難しいと聞いてましたから。でも、仕事内容を聞いて魅力的だと思ったので、思い切って働くことにしました。」

小さい子を抱えていると、急な病気や怪我で仕事を休まないといけない事態もある。それがネックで仕事が見つけずらかったり、職を失うママ友を多く見てたとのこと。

松村:「最初は事務やネット通販、イベントのお手伝いをお願いしました。今は『働くママを輝かせるプロジェクト』を任せてます。」

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門馬さんと働くママ

門馬:「生まれて初めて出張に行きました!石巻のAmanecer(アマネセール)さんに。ハンドメイドアクセサリーを作ってネット販売をしている会社です。そこでは子供を連れたママたちが働いていて。『あぁ、これっていいなぁ』って思いました。」

『Amanecer』はNPO法人石巻復興支援ネットワークが、『ハンドメイドアクセサリーショップSONRISA』の協力を得て立ち上げたアクセサリーブランド

  • Amanecer(アマネセール)→(★)
  • NPO法人石巻復興支援ネットワーク→(★)
  • ハンドメイドアクセサリーショップSONRISA→(★)

門馬:「石巻のママたちに『真似していいよ』って言われて。でも、ただ真似をするのではなく、南相馬には綿も絹もあるから、それを使って純国産のコットンパールを作ろうと思いました。」

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門馬:「ところが、簡単にいかないんですよ(笑)」

門馬さんの挑戦とママ友たち

門馬:「コットンパールは素材の綿含め完成品は海外から輸入しいるのが普通です。純国産原料で作っている所は、見当たらないんですよ。」

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  • コットンパール=綿で出来た球体などにパールの様な光沢ある塗装をしたアクセサリー。軽いので様々なデザインが楽しめ世界中の女性に愛されている

門馬:「コットンパールは綿のゴミを除き漂白してから丸めてパールの塗装をします。塗装は外注です。国内は唯一塗装してくれる会社が関西にあるんです。」

門馬:「でも、綿なら何でも良い訳じゃなかったんです。ゴミを丁寧に取り除き叩いて柔らかくし漂白する。医療コットンレベルです。」

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門馬:「試行錯誤して手作業で処理したコットンで作ってもらった試作品がこれです。」

DSC02441※上:試作品。下:市販品

門馬:「仕上がりが粗いと思います。色もキレイなホワイトじゃなくって。でも、ここまで出来たんです。私たちで。」

門馬さんスイッチオン

門馬:「問題点は3つ。1つはゴミの取り除き作業、2つめは綿を叩く作業、最後にデザイン。この問題点を解決出来れば地元に仕事を作ることも出来るんです。」

DSC02370門馬:「ゴミを取り除く作業は、綿農家のお年寄りにお願いが出来ます。少しでも収入になればお孫さんへプレゼントだって出来ますしね。綿叩きも地元の布団屋さんで出来ないかと思って探してます。デザイン方法が分かれば、組み立てやアレンジはママ達にお願いできます。」

ニコニコしながら、言葉を選び語る門馬さん。どれをとっても、簡単な事ではない。それでも、力強く楽しそうに語ってくれる。

門馬:「たまに、ママ友にお手伝いをお願いするんです。でもね、まだお給料がお支払いできるレベルじゃなくって。」

安定した仕事になれば、農家のお年寄りやママ達が働ける場所が出来る。

門馬:「絹も地元で出来るんです。だから、アクセサリーにシルクを使えないかとも思ってます。こうやってよるんです。」

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門馬:「この道具、絹農家のおばあちゃんに教えて頂きました。これだって、ママ達が子供を連れて仕事に来ても出来る作業です。」

まだまだ、越えるべき壁は沢山。体力的にも気力的にも疲れる事も多々あるという。

でも「やりたい仕事が見えた」門馬さんは幸せそうでした。

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これを読んで下さった皆さんで、綿叩きやデザインのアドバイスなど有りましたら是非Ane会編集部宛にご連絡下さい。門馬さんに伝えます。

 

更新の励みにもなりますので、こちらからご意見・ご感想など お聞かせ頂けると嬉しいです!

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