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女性活躍で変わる企業特集!カルビー株式会社|前編|女性の活躍なしにカルビーの将来はない

右:人事総務本部 ダイバーシティ委員会委員長 石井信江様

Ane会読者もご存知の通り、昨今、女性活躍の推進が国を挙げての施策として注目を集めています。今回は、誰もが食べたことがある「ポテトチップス」でおなじみ、カルビー株式会社に女性活躍推進による取り組みについてお話を伺いました。

|後編はこちら|“女性管理職として活躍の場を広げる” 事業開発本部 新規事業企画部長 北村恵美子様

|前編|“女性の活躍なしにカルビーの将来はない” 人事総務本部 ダイバーシティ委員会委員長 石井信江様

「女性管理職を30%にする」という目標

Ane会ライター:「新・ダイバーシティ経営企業100選プライム」や、5年連続「なでしこ銘柄」に選定されるなど、着実に実績をあげられています。女性活躍に向けた取り組みを推進するために、最初に思い描いたことはどのようなことだったか、お聞かせください。

石井様:弊社のダイバーシティ推進は、会長である松本のメッセージ『従業員の半数を占める女性に対する取り組みから始める』というのが、自然な流れでした。松本は、「従業員の女性の比率が50%であるにも関わらず、管理職に占める女性の割合が低いのは不自然である。」また、よく「ゴルフは片手ではできない。両手でやるもの。男性だけでなく、これからは女性が活躍しなければいけない。」と言っていました。このように、トップのメッセージが明確だったので、取り組む側としても納得感はありましたね。

Ane会ライター:トップのメッセージだけでなく、実際に考え方を浸透させていく取り組みは難しかったと思います。どのようなことをされてきましたか?

石井様:2020年に女性管理職を30%にするという明確な目標に対して、社長以下が数字でコミットしてきました。この目標達成のために、男女関係なく優秀な人材を登用することを第一として、能力が同じ男女の場合、当分の間は女性を優先して管理職に登用するという方針で進めてきました。当初は数値目標を掲げられても、納得できるかどうかは別問題だったかもしれません。ですから、ダイバーシティの理解を深めるために、年に1回ダイバーシティフォーラムを開催したり、各事業所からメンバーを参画させ、ダイバーシティ委員会を立ち上げたりして、ダイバーシティの考え方を学び、キャリアとは何かを考える機会を多くつくってきました。

出典:カルビー株式会社「ダイバーシティの取り組み」

男性従業員の理解

Ane会ライター:女性管理職比率の向上のために、同じ能力なら女性を登用する、という方針が打ち出されたとき、危機感を感じた男性もいたと想像されますが、男性従業員の理解を得るための取り組みとして、どのようなことを行ってこられましたか。

石井様:女性の比率が50%を占めるとはいえ、年齢的に男性より女性のほうが若い人が多いため、女性が管理職になると、今まで部下だった女性が上司になるということがありえます。今まで女性が上司になるという経験をしたことがない人にとっては、違和感があったと思います。しかし、その違和感自体がダイバーシティの始まりであり、新しいことを始めたときの反応としては自然な反応だと考えています。それを受け入れられたかということは別の話ですが。ただ、実際に女性が管理職になり、女性管理職も男性部下もそれぞれが試行錯誤しながら経験を重ね、女性管理職数が増え、「男性の仕事は●●で、女性の仕事は●●だ」という線引きもなくなったように思います。環境が変わったことで男女ともに働き方の意識が変わってきたのではないでしょうか。

なお、女性を管理職に登用するのは直属の上司です。部下のサポートをするのが上司の役目ですから、仮に女性管理職がマネジメントに窮することがあった場合は、登用した上司が、女性管理職やメンバーに対してサポートをしていく体制となっています。

男女ともに活躍する会社へ

Ane会ライター:男性に比べまだまだ女性は素直に女性管理職を受け入れる方って少ないと思います。それは、能力があるにも関わらず、育児、家事を主体的にやらないといけないという気持ちから手を挙げにくかったり、意識的な遠慮や謙遜であったり、様々だと思うのですが。そんな中、女性が積極的にチャレンジするために、どのような取り組みを行っていますか。

石井様:ダイバーシティ推進がスタートした当初は、女性だけを集めてキャリア研修をしていました。そのおかげなのか、互いに仕事に対する高い意識が芽生えたり、不安の払拭につながったようです。しかし、今は女性だけに限定した取り組みはしていません。なぜなら、キャリアを考えるのに男女は関係ないからです。そもそも女性活躍と言っていますが、ダイバーシティ推進としての活動原点は、全従業員の活躍です。そのスタートとして、育児や介護による働きづらさ、阻害要因をなくすべく会社としてサポートできる体制、しくみを整えてきました。ですから、例えば、育児勤務をしている人だけを対象としているのではなく、全従業員フルオープンで対象者にすることを原理原則としています。女性がより活躍するようになれば、男性もいい影響を受け、さらに活躍できるようになるはずです。

全従業員が活躍できる職場環境の実現を目指して

Ane会ライター:男女ともに活躍される会社を目指されていること、とても感銘を受けます。そのために全従業員の働き方について、これからの課題は何でしょうか。

石井様:働き方という点で、すべての従業員がテレワーク、在宅勤務ができるかというと、適用が難しい部門もあります。特に製造、物流部門では、販売に左右され、急な残業や休日出勤を強いられることがなくなるように、シフトを工夫する等、安定した勤務体制を構築していく必要があると考えています。単純に残業を削減するなど、働く時間を短くするのではなく、同じ従業員数で、売上、利益を向上させ、会社が成長していくためには、一人一人が生産性を上げていかねばなりません。ここはこだわりを持って取り組んでいきます。

女性活躍という点では、女性管理職比率30%を達成した後にさらに向上させ、高い水準を維持できるかというのも課題です。ダイバーシティとしては、性別、外国籍、障がい者、病気で療養しながら働く人など、すべての人が活躍できるように、女性活躍以外の取り組みも行っていきます。

おかげさまで、これまで数々の賞をいただいてきましたが、まだ取り組みは“道半ば”です。ダイバーシティの考え方を地道に促進していく必要があると考えています。

出典:カルビー株式会社「ダイバーシティの取り組み」

目的をもって働くということ

Ane会ライター:企業で働く女性に向けて、主体性を持って働くためのメッセージがあればお聞かせください。

石井様:何のために働いているのか、働くことで何を実現したいか、その目的がない限りは、不満や困難を乗り越えられません。また、会社が目指すビジョンに合意できるかどうかがモチベーションのスタートラインであると考えます。そのスタートラインに立って初めて、会社の中で自分がどんな役割・責任を果たしていきたいか、何を実現していきたいかが描けるのではないでしょうか。それがないと主体的になれませんし、弊社では“自立的に成長し成果を出し続ける人”を求める人物像としていますが、このスタート地点がまさに自立なんだと思います。

また、いつも笑って、楽しく、イキイキと働けることばかりではないと思います。過去を振り返って「あの時イキイキしていたな」と思うことはあっても、本当に苦しい時に自分がイキイキしているかどうかなんて考える余裕はありませんから(笑)。しかし、苦しかった時を乗り越えた成功体験と、個々が描く姿や目的があれば、きっと未来も様々な困難が乗り越えられ、成長し続けることができるのではないでしょうか。

いかがでしょうか?これからの社会、多様な働き方で、女性がもっと活躍の場が広がるでしょう。ただ、そこには、時には険しい道があるかもしれません。主体的にもっともっと手を挙げて、男性とともに活躍の場を広げていく社会になればいいと思います。

次回の「後編」では、カルビー株式会社で実際にご活躍される女性管理職の北村様にお話を伺います。

|後編|“女性管理職として活躍の場を広げる” 事業開発本部 新規事業企画部長 北村恵美子様

お楽しみに!

取材協力:カルビー株式会社

  • 女性活躍推進に優れた企業「なでしこ銘柄」に5年連続選定(経済産業省・東京証券取引所共同主催)
  • 全社的かつ継続的にダイバーシティ経営に取り組んでいる企業「新・ダイバーシティ経営企業 100 選プライム」に選定(経済産業省主催)

2018年3月22日現在

Written by

石田 映子
愛知県名古屋市生まれ。17年間IT企業でシステムエンジニア、プロジェクトリーダーとしてシステム開発に従事しながら、若手社員育成、女性社員のメンター、社内の女性活躍推進活動にも従事。
育児休暇取得後復帰し、社会人、母、妻、一人の女性としての生き方、あり方を追求し、それを実践すべく、ベンチャー企業に転職し、人の育成に携わる。もうすぐ6歳になる娘を持つワーキングマザー。

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