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家事代行ベアーズ副社長高橋ゆきさん|対談|Ane達に届け、愛のエネルギー

家事代行サービスって、気軽に使える?

日淺:来期で創業20周年となる「ベアーズ」ですが、ゆきさんも最初抵抗があったように、まだまだ一般的に他人を家に入れて家事をしてもらうことに抵抗があるように思います。例えば、義理のお母さんの目が気になったり…。創業してから今まで、家事代行サービスの産業の変化について教えてください。

ゆきさん:今、創業当時の1999年と随分と変わってきましたよ。特に感じるのが、2011年の東日本大震災後でしょうか。あの痛ましい震災の後、たくさんの人が「生きる」ことについて強く考えるようになったと思います。それこそ、小学生からご年配の方まで、どのように命という名の時間を使うべきなのか。自分じゃなきゃいけないことに、自分の一度きりの人生の命という名の時間を大切に使おうって思ったんじゃないでしょうか。

日淺:そうなんですね。

ゆきさん:「もっと素直に生きよう」「当たり前が当たり前であることに感謝しよう」とか。あの時にみんなの心の中に、

自分じゃなきゃいけないことに、自分の命という力を注力しよう。
家事とか育児とか、自分がしなきゃいけないという使命感だけで、イライラ・キャンキャンして大事な人たちを笑顔にできないなら、アウトソーシングしてもいいんじゃないか?

という生き方をする人たちが増えました。

特に、ここ3年間で大きく変わったのは、国や大学、企業が動いたことですね。女性活躍推進とか、ウーマノミクスとか言われている政界の中で、家事代行に対するビジョンを振りかざすのはいいけど、どうやったら本当の女性活躍推進とか、女性の出生率を増やすとか、そういうことを真摯に考えてくれるようになったんですね。そこで、「そうだ、家事代行が本当に暮らしの新しいインフラになったら、なんか暮らし方が画期的に代わるんじゃないか?」って。そして、3年前に日本で初めて『家事代行サービス推進協議会(以下、推進協議会)』が経済産業省の中に生まれたんですね。

日淺:大きな動きがあったんですね。国がまず動くなんて。

ゆきさん:家事代行サービスというもの自体、富裕層だけのものとか、贅沢嗜好品と思われている時代では国が予算を付けて推進協議会なんて開かないでしょ、正直なところ。でも、何とか一般のご家庭に継承していきたい、ということで推進協議会が発足した、もうそれだけで画期的だったんです。

私が自分の原体験をいくら力説しようと、日本の今の時代に生きている人たちが本当にそう思っているかな?という疑問の中で、推進協議会が正式に1000組の30-40代の共働きのご家庭にアンケートをとってくださいました。アンケートのふたを開けてみると・・・!なんと、家事代行サービスを使ったことがある人は3%しかいないことが分かりました(2014年アンケート)。

家事支援サービスの認知率・利用率

それなのに、サービスは知っているが利用したことがないという人が70%もいる。70%もの認知があるのに、実際は2%の人しか使っていないことが明確になったんですね。

また、なぜ使っていないのか?というアンケート結果では、顕著に答えが2つに絞られました。

未利用者における家事支援サービスを利用しない理由(複数回答)

ひとつめの理由は、価格の問題。高額であるという先入観。ふたつめは、他人を家にあげるという精神的な抵抗感ですね。または母として、妻として、女性として、手を抜いてさぼっていると思われるじゃないかという後ろめたさ。つまりは経済的なこと、精神的なことの2つだけであることが分かりました。

このアンケート結果により、経済産業省が「どちらかのボトルネックをとってみよう。そのことで、もっとたくさんの人がライフワークバランスを感じるとか、女性活躍推進を感じるんであれば、やってみよう」いうことで、まずは事業者に対して認証制度を与えていくことになったんです。そして、1年がかりで推進協議会のメンバーが「事業者認証制度」を作り、昨年2月に正式に認められました。現在は8社の事業者が取得しています。

そのことで、事業者側は、もっともっといい意味で前向きに人を雇用したり、真剣に人財を育てたり、その認定制度の基準にのっとり健やかな会社を作り始めています。そして、検討していたユーザー、いわゆる潜在ユーザー側は、事業者認定を持っている人を送り込んでくれる安心感・安全感という面のハードルが低くなってきました。何よりも、経済産業省がそんな予算を付けて事業者認証制度を作ったことで「そういうサービスを使ってもいい時代なんだ」って思うきっかけになりますよね。

また、2018年3月。国家戦略特区制度における、家事代行サービス業での海外人材受け入れに関して、一部地域により事業者認定をいただきました。これまで、農業とかエンジニアのように、技能実習生が日本に働きに来てくれるっていうことはあるけれど、日本のご家庭に入って海外人財が働くことを認められたのは、戦前戦後はじめてのチャレンジです。それはそれは大きな出来事で、テレビをつければ、“国家戦略特区、家事代行サービス、外国人スタッフ、ご家庭に!”こんなニュースが出ると、今まで富裕層のような一部の人のためのサービスと思っていたけれど、自分自身の身近に感じられる時代になるんですね。

そして、第三の波。2016年の大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。家事代行という職業があること。そして、家事代行という仕事が、若い人にとって働く価値のある、やりがいのある、さらには誰かの人生にインパクトする仕事であるということ。もう一方で、IT企業に務めている30代の一人暮らしの男性でも使えるんだ。という意識が芽生えるんですね。働く方もお客様も、このドラマによってインパクトされて、恋ダンスと共に、一気に家事代行の存在が世間に広まりました。

ということで、一気に三歩。おかげさまでベアーズを使っていただく人が増えました。今では、さらに中流層が使うようになって、ベアーズは今、年間40万件のお客様にご利用いただいてます。

日淺:ベアーズの中で働く方々も増えてきていますか?

ゆきさん:増えてはいるんですけど…。それに追い付かないくらいのニーズがあります。ニーズが殺到していて、ベアーズは毎日100件近くのお問い合わせをいただくようになりました。なので、先ほど申し上げた、海外人材を国家戦略特区で働いてもらう、というのが今の段階です。

日淺:家事代行サービス産業の大きな成長ですね。

ゆきさん:あと、大学ですね。大学の講義の中で“暮らしをサポートするという授業”が出てきて、全国各地の国立大学から私立大学の講義へ登壇することが、この数年、ずっと続いています。教育の現場でも、この家事代行の存在意義や価値が広まるようになりました。または、このサービスがこれからのビジネスモデルとしてどう進化を遂げるのか、または、今後ひとりの社会人として、このサービスを利用する時になったら、どんな豊かな人生が送れるのだろうか、ということを学問の世界でも取り上げられるんですね。

さらに、企業も。今、ベアーズでは、企業が福利厚生として家事代行を契約したいということで、約500社の企業と法人契約しています。

日淺:お話を聞いていて、確かにここ数年でグっと身近になっているかなって感じはします。

ゆきさん:とはいえ、まだまだこれからです。だって、使ったことがあります?ないでしょ?

日淺:・・・はい。今のところ、家事代行サービスを使ったことはないですね。

ゆきさん:そうですよね、だから、まだまだなんです。日淺さんは男性だけど、女性って、家庭、子育て、仕事、自分と、いろんな顔をもって生きている中で、家事代行サービスという存在を知ってはいるけれど、なかなか使う一歩が踏み出せないことも現実にあって。まだまだどころか、私はたぶん、まだ9割も伸びしろが残っていると思っています。だから、今、我々が頑張り切ったと言われるには早くて、企業として、ここからが本当の勝負なんです!

日淺:家事代行サービスという産業ができあがったところで、国が動いたり、社会が変化し、次は一般家庭の意識や生活に定着していく、というのが次の段階になるんですね。

ゆきさん:そうですね。

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